みなさんは結婚指輪を毎日身に着けていますか?実は結婚生活が10年以上経つ夫婦の約60%が、結婚指輪を着けていないというちょっと寂しい実態が分かりました。
出典元「夫婦関係調査2012(リクルート ブライダル総研調べ)」(2017年3月7日)
 

結婚指輪を身につけない理由として、男性は着けていることが煩わしいから、女性は妊娠出産を機に指のサイズが変わってしまったり昔と好みが変わってしまったから、着けなくなってしまったという声がありました。そのような結婚指輪をリメイクし、新たなかたちで大切に身に着けているお客様の実例をご紹介します。

3つのリメイク実例

1. 指輪を他のジュエリーにする
2. ひとつの指輪から夫婦ふたりの指輪をつくる
3. 幅が太い指輪を細くする

<実例1. 指輪を他のジュエリーにする>

「カジュアルで軽くて最高です!」と、長年ご愛用いただいていたチタンの結婚指輪ですが、月日とともにサイズが指に合わなくなってしまったそうです。どうしても指から外せなくなってしまい苦渋の決断の末、消防署で切断をされました。当時は幅の太いデザインが主流でこちらの指輪も7.0㎜とボリュームのあるデザインでした。

人の指は年齢を重ねるにつれてサイズが変わります。また、気候の変化や体調の変化でも一時的にサイズが変わるため、幅が太い指輪はたまに圧迫感を感じたり指先が青紫色になってしまうことがあります。

今回は切断した指輪を他の形で大切にしたいとのご希望に、オリジナルのペンダントにつくり変えることを提案しました。指輪を複数の正方形のパーツに整え繋ぎ合わせます。デザインとしてもともと入っていたストレートラインをクロスラインになるようにアレンジを加え、スタイリッシュな印象のペンダントです。
よく見るとこっそりと家族のイニシャルが刻まれているところもポイントです。これまで夫婦の象徴だった結婚指輪がこれからは家族の象徴になりました。

チタンやジルコニウムの指輪は、切断状況によっては指輪として元通りにすることが難しい場合があります。その場合はいくつかのパーツへ切断して他のアイテムにリメイクすることを提案しています。

 

例えばペンダントの他にも…
・ピアス
・ブレスレット
・ネクタイピンの飾りパーツ
・カフス

鮮やかなカラーが目を引き、個性が光るアイテムへ変身します。もちろんチタンやジルコニウム製なら、メンテナンスでカラーチェンジも可能です。

<実例2. ひとつの指輪から夫婦ふたりの指輪をつくる >

大切な結婚指輪を失くしてしまったとのご相談をいただきました。その指輪はプラチナとホワイトゴールドの木目金を用いた伝統美なデザインです。

最初おふたりは失くしてしまった指輪と全く同じものを1本、新しくつくる予定でした。しかし、ひとつひとつ手づくりでつくる木目金の柄は以前の指輪とある程度似せることはできても、全く同じ柄をつくり出せるものではありません。また、打ち合わせを進めていくにつれて、ふたりが木目金の層のように一緒に過ごす時間を大事に積み重ねてきた印象を受けたデザイナーは、指輪をふたりで分かち合う方法を提案しました。手元に残っているもう一方の指輪を分割してサイズが足りない分だけ他の金属を継ぎ足し、2本の指輪をつくりだしたのです。

これまでのふたりで過ごした歴史を大切に残しながらも、お互いに気に入った色味のゴールドが加わった姿は輝きが増して見えます。より一層特別な想いを含んだ結婚指輪に生まれ変わりました。

 

「継ぎ足すことが難しい場合」
・ダイヤモンドなどの宝石がたくさん留まっているデザイン
・チタンやジルコニウムなどの溶接が難しい金属

<実例3. 幅が太い指輪を細くする>

こちらは幅6.0㎜の存在感のあるプラチナの指輪です。プラチナの密度は21.4g/㎝3で実はとても重い金属です。なので、幅6.0㎜のボリュームだと指輪の重さは約10gあります。「重たくて毎日は身に着けなくなってしまった」とのご相談に、着け心地と最近のトレンドを意識した細身の指輪にリデザインを行いました。

幅が太い指輪を細くするには、主に2通りの方法があります。
① 指輪の両側面を削り落していく方法
② 指輪を中央から分割する方法

 

①の方法は、例えば「ダイヤモンドを留めている中央部分のデザインを残したい」「内側の文字刻印を残したい」という場合に行います。また、5.0㎜以下の幅の指輪は両側面を削りながら調整を行います。
②の方法は、指輪の幅が5.0㎜以上ありデザインが複雑ではないものに限られます。なぜなら分割時は刃幅が0.5㎜の糸のこぎりを使用するためその切りしろが必要です。また、複雑なデザインは分割時にバランスをとることが難しいためです。

 

今回は指輪の幅も十分にありデザインもシンプルだったため、②の方法で指輪を中央から分割し2本にしました。1本は今までのデザインをそのままに、もう1本は指輪の外側を削りくぼみのをつけたデザインにしてダイヤモンドを追加しました。重ねて身に着けてもおしゃれですし、気分によって好きな方を着けられる贅沢なリメイク事例です。

 

「指輪の幅を細くするときの注意点」
・幅が太い指輪を細くすると、体感サイズが大きくなります。
・指輪外側のデザインや内側の文字刻印が消えてしまう可能性があります。
・あまり細いデザインにしてしまうと強度が心配です。
この3点をしっかりと確認しておきましょう。

最後に

リメイクを行うには、金属に対する確かな知識と高い技術力が必要です。デザインの相談がしっかりとできて、作業のリスクや解決策をしっかりと提示してくれるお店を探しましょう。
結婚指輪を切断したり形を変えてしまったら、もう元通りには戻せません。身につけなくなってしまった結婚指輪をどう大切にしていくか、参考にしてみてください。

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