チタン、ジルコニウム、タンタルを扱う結婚指輪ブランドの先駆けとして20年の積み重ねがあるSORA。
一般的に「チタンの指輪は硬いからサイズ直しができないモノ!」というイメージがあるようですが、これまでの経験と豊富な知識によって専用装置を開発することで、普通のジュエリーと同じようなサイズ直しを可能にしています。

ー長年の研究によるオリジナル装置開発

チタン、ジルコニウム、タンタルは、レアメタルとひとくくりに呼ばれることがありますが、それぞれ異なる元素です。
3つの共通特性は、金属が溶ける融点が高く、そして酸化しやすいということ。つまり一般的なジュエリーの素材である金、銀、プラチナなど貴金属と同じ技法が通用しないということなんです。

そのため、溶接をする場合は酸素を遮断した特別な環境を用意しなくてはなりません。こうした特殊な作業環境を整えることは容易なことではありません。現在、販売品はありませんので、世の中に存在しない装置をオリジナル開発するしかありません。

そうした背景からも現在のジュエリーブランドにおいてチタン、ジルコニウム、タンタルなどレアメタルをラインナップに導入しているブランドは非常に少ないのが現状です。

解説「レアメタルとは?」

図:左:チタン/上:ジルコニウム/右:タンタル

※サイズを直した3素材各ペアを比較(左:+3号/右:−3号)

 

『レアメタルとは』: 明確な定義はありませんが、「地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属のうち、安定供給の確保が政策的に重要(経済産業省)」で、産業に利用されるケースが多い希少な非鉄金属を指し、構造材料へ添加して特性を向上させたり、また電子材料・磁性材料などの機能性材料などに使用されています。

参照元:国立研究開発法人「物質・材料研究機構

《様々な工程を経て完成するサイズ直し》

サイズの直し方は、素材を足し引きすることでサイズを変更する溶接と、金属を叩いて伸び縮みさせる鍛造(たんぞう)の2つがあります。
これまで溶接が困難なチタン、ジルコニウム、タンタルは、 鍛造で少し伸び縮みさせるぐらいしかできませんでしたが、溶接すれば±3号もの大きなサイズ直しも可能です。

図:左:溶接前のサイズを小さくするジルコニウムリング/右:サイズを大きくするジルコニウムリング

 

左は、切断して3号分の切除をしたC形状のリング。右は、3号大きくするために切り取ったジルコニウム片を入れ溶接前の状態。

図:サイズ芯金で真円を維持しながら3号拡げているジルコニウムリング。

図:左:サイズを小さくする溶接前のタンタルリング/右:サイズを大きくする溶接前のタンタルリング

図:溶接をしたタンタルリング

デザインの修復

ぐるっと一周巡るラインがあったり、指輪の太さが一様でなくデコボコしている複雑なカタチの場合は、溶接後にデザインを馴染ませる修復作業があります。

デザインの修復とは、ラインが自然に繋がるようにヤスリで新たに削りを入れたり外側に段差があればデコボコをなだらかに磨き仕上げます。

【最後に】

チタン、ジルコニウム、タンタルといったレアメタルも素材が持つ特性をそのまま活かすことで、結婚指輪による表現の幅が格段に広がります。 
ふたりの結婚指輪選びは、人生に一度きりですが、一生身につけるものなのでサイズ直しは重要なポイントです。ずっと身につけるものだからこそ、ずっと対応してもらえる確かな技術を持ったショップで購入することがポイント。特にレアメタルという特殊な素材なら、なおさらその後のアフターサービスやサイズ直しについての対応を確認して購入しましょう。

※サイズ直しが出来るのか?出来る場合は、何号ぐらいのサイズ直し範囲なのか?については、素材やデザインによって変わりますので、詳細は個別にソラへお問い合わせください。

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