「本当に各分野のプロフェッショナルが協働してくださって、出来上がった作品だなと思います」とドリアンさんも、ヨシダナギさんとチームの皆さんの熱量を強く感じた様子。
撮影のなかでドリアンさんが一番驚いたのは、やはり実物の泥。
「泥をここまで具現化していただけるとは思っていなかったですし、ここまで大掛かりに全身を塗っていただくような機会は今までになかったので、そのクリエイティビティに感嘆しました」
一方で、顔から足の裏まで泥で覆われた状態での表現は新たな挑戦だったとも話します。
「垣間見える目や指先だけで、どれだけ自分らしさを醸し出せるか、自分が伝えたいメッセージを表現できるか、を考えながら撮影に臨んでいました」
表現できる幅が狭いからこそ一層、“自分らしさ”を研ぎ澄まして考える時間…。それは「汚れや泥のなかでこそ、人の真の美しさは際立つ」というテーマを体現/体感する時間だったともいえるかもしれません。
ドリアンさんとヨシダナギさんのケミストリーで生まれた作品から、その美しさが皆さんにも伝わるのではないでしょうか。
指輪作りから撮影までのすべてを終えて、最後にあらためて、このLINK OF LIFEプロジェクトが大切にしている“自分らしさ”について、ドリアンさんの想いをお聞きしました。
「“自分らしさ”って考えれば考えるほど分からなくなっていくと思うんです。その人がとっている行動や選択の連続が、その人自身だと思うので、あまり考えすぎなくていいんじゃないですかね。楽しいと思うことをやり続けるのが一番いいと思います」
ドリアンさんも、やりたいと思うことや好きなことをやり続けていくなかで、「動画を見て元気になりました」「悩んでいた気持ちが少し晴れました」などといった声をもらうようになったといいます。
ただ、「誰かのためにやる」という意識は持たずに、あくまでも「自分が好きでやっていることを、好きに受け取ってもらって構わないよ」というスタンスを保ち続けたいと、ドリアンさんは話します。
「『アタシはアタシで好きにやるから、あなたも好きにしなさいよ』っていう、いい意味で“放っておきあう”距離感が、多様性のあふれる世界を作っていくうえで大切だと思うんです」
「自分らしさ」を突き詰めるのではなく、「楽しい」や「好き」を探究し続けること。それは自分自身を大切にすることであると同時に、「自分とは異なる他者」の生き方や感情をも尊重することにつながるのでしょう。
ドリアンさんの今後の“探究”の道のりのなかでも、傷を追うことや泥をかぶるようなことは起きるかもしれません。そんなときに、今回のLINK OF LIFEプロジェクトの体験と、その記憶が刻まれた指輪が、ドリアンさんにとって力になることを願って…。
素敵なメッセージをたくさん届けてくださったドリアンさんとのLINK OF LIFEプロジェクト第1弾は、こちらで完!ですが、今後もすてきな人生の歩みをしていらっしゃる方々の人生を込めた指輪づくりに、SORAは挑戦し続けていきます!
スチール撮影:伊藤圭