「丈夫」「強い」と言われる鍛造(たんぞう)とは何か?

鍛造ソラ結婚指輪

普段あまり耳にすることのない鍛造(たんぞう)という言葉ですが、インターネットで結婚指輪を調べていると鍛造専門店や、鍛造ラインナップがある結婚指輪ブランドを目にします。

 

鍛造とは、金属を直接叩いて形をつくる加工方法のことで、叩いた金属の結晶組織が複雑に絡み、緻密な組織になるのでとても丈夫で歪みにくい金属ができます。叩くことで金属を鍛えながら、さらにその打痕がテクスチャーデザインとして生かされる金属造形の技法でもあります。

 

手作業で指輪の表面に金鎚を打つ鍛造の工程では、その一打一打が金属を鍛えて強さを増すのを感じられます。そして打痕が磨かれてキラキラと瞬きだしていく様子は、指輪に息吹が吹き込まれるようです。

鍛造ソラ結婚指輪

鋳造(ちゅうぞう)との違いは?

SORAではゴールド、プラチナだけでなくジルコニウムやチタン、タンタルなど9種類もの指輪素材があるので、結婚指輪に使用する素材特性によって鍛造と鋳造(ちゅうぞう)を使い分けます。現在のモデルはほとんどが鍛造でつくられています。

 

鍛造とよく対比される加工方法が鋳造です。ロストワックスとも呼ばれる技法で、ロウで原型をつくり、その型に溶けた金属を流し込んで指輪の形を成形します。

 

鍛造と比べると曲線など有機的なデザインの自由度が高く、一度にたくさんつくれるメリットがある一方、液体状に溶けた高温の金属の温度管理が難しく、溶けた金属内に気泡ができたり、密度のムラが起こりやすいことから鍛造の方が歪みにくいといわれます。
(※比較は同じ体積、デザイン、素材で単純比較した場合の一般的な差です。鋳造でもデザインや素材を工夫することで丈夫で強い指輪をつくることが可能です。)

 

SORAでは鋳造ならではのデザイン表現も探求し、これまでに様々な指輪を制作しています。

 

参考記事:【2019干支の指輪】福を招くイノシシ!こだわりの鋳造法も公開!

 

丈夫で歪みにくいから毎日つけても安心!鍛造でつくる結婚指輪

【熱処理で固さを制御するワザ】

SORAの指輪ほとんどが常温で金属を鍛造加工する冷間鍛造(れいかんたんぞう)でつくられています。この加工には指輪を熱して固さをコントロールする熟練の熱処理技術が欠かせません。

 

鍛造で固くなってしまう指輪を、作業途中で加工しやすく軟化させる「焼きなまし」という熱処理では、一度バーナーで赤く熱し、冷ますことで金属のひずみをとり、平衡な金属組織に戻し、金属を柔らかくすることができます。こうして鍛造と熱処理の繰り返しで指輪が形づくられていきます。

 

他に、赤く熱した状態で金属を加工をする刀鍛冶などにみる熱間鍛造(ねっかんたんぞう)という加工方法もあります。

「鍛造」と一口に言っても金属の特性に合わせた複合的なワザがあり、これによって一見不可能と思われるような指輪のデザインを生み出すことができるのです。

丈夫で歪みにくいから毎日つけても安心!鍛造でつくる結婚指輪

【精密に削り出すワザ】

鍛造で成形された指輪は金属組織が複雑に絡み合った状態なので、そのまま削りだしたあとも変わらず丈夫な指輪になります。

旋盤加工では、お客様の指のサイズに合わせ0.1号刻み、0.01mmという精度で一つ一つの指輪の内側を削り、外周に精密なラインを施すことが可能です。

丈夫で歪みにくいから毎日つけても安心!鍛造でつくる結婚指輪

【自由にデザインを彫刻するワザ】

ヤスリを使ってミゾを彫ることで、流れるようなデザインを表現することが可能です。ベースとなる指輪は鍛造加工でつくられているから歪みに強い丈夫な金属そのままに、自由な形状の彫刻ができます。

鍛造ならではの鎚目(つちめ)デザイン

毎日つける結婚指輪だからこそ、デザインだけでなく歪んだりしないか気になるポイントですよね。

 

金鎚で叩いた打痕がそのままデザインになる鎚目は鍛造の特徴。鍛造デザインの代表例をご紹介!

鎚目の大きさや、金鎚の鏡(かがみ)と呼ばれる面のテクスチャーを工夫することで無骨でナチュラルな印象から、華奢でシンプルな印象まで様々なデザインが楽しめます。

丈夫で歪みにくいから毎日つけても安心!鍛造でつくる結婚指輪「ウル」

ーULU(ウル)ー

大地が創造したウルルのように

 

一打ずつ手作業で打っていくため、ひとつとして同じ形にはならない鎚目。

そして、打ち付けたテクスチャーからは、ずっとそこに存在していたような温かみのある包容力を感じさせてくれます。

ULU(ウル) ※直営店限定モデル

ULU(ウル) ※セレクトオーダーモデル

丈夫で歪みにくいから毎日つけても安心!鍛造でつくる結婚指輪「アイナ」

ーAINA(アイナ)ー

母なる大地

 

丸いフォルムと金鎚によって与えられたテクスチャーは、母なる地球の姿をイメージ。

光らせた仕上げでキラキラと華やかに、曇らせた仕上げでシックに、仕上げ次第で表情も変わる。

 

AINA(アイナ) ※セレクトオーダーモデル

丈夫で歪みにくいから毎日つけても安心!鍛造でつくる結婚指輪「ナオ」

ーNAO(ナオ)ー

金鎚でつけるさざなみ模様

 

ハワイ語でさざなみを意味するナオ。 金鎚でたたいてつける縞模様は、とめどなく打ち寄せる小さな波のよう。 いつまでも寄り添うふたりの姿を象徴しています。

 

NAO(ナオ) ※セレクトオーダーモデル

丈夫で歪みにくいから毎日つけても安心!鍛造でつくる結婚指輪「アイス」

ーICE(アイス)ー

氷のテクスチャー

 

ゴツゴツとしながらも繊細な線が入ったテクスチャーは、まるで凍てつく湖の表面のよう。

儚くも美しい輝きを放つ結晶を鎚目で表現。

氷の表面を写し取った金鎚が、指輪に豊かな表情を与え、ふたりの指元に輝きを添える。

 

ICE(アイス) ※直営店限定モデル

結婚指輪は「鍛造」「鋳造」どっちがおすすめ?

鍛造は、指輪一つ一つを手作業で成形することになるので一部のオーダーメイド、セレクトオーダーブランドが採用する特殊な加工方法です。SORAの指輪はほとんどが鍛造でつくられていますが、一般的な既製品販売のゴールド、プラチナ製の結婚指輪ブランドは、鋳造によるものが多いでしょう。

 

鍛造でつくるか、鋳造でつくるかの違いは、指輪のデザインによって決まるところもありますが、各ブランドの思想が表れてくるところでもあります。

なぜその加工方法なのか聞いてみることで、ブランドが考えている想いや、こだわっている大事なメッセージが見えてくるかもしれません。

まずは二人の考えに寄り添ってくれるブランドなのか、そこから選ぶのが良いのではないでしょうか。