大地を写し取った金鎚 一打一打の躍動に宿るその力強さを指輪に込めて。
揺らぎ重なり合う打痕 ふたつとして同じ模様は生まれない
加工材に、金鎚を連続的に打ちつけることによって得られる打痕を「鎚目」と呼びます。打ちつけられる金鎚の面は「鏡」と呼ばれ、その形状や表面状態、打つ際の力の強弱によって様々な模様が生まれます。リズムよく響き渡る金属音を伴う鎚目の作業は、金属の結晶構造を鍛えながら強度を高める重要な行程でもあります。
参考_石目鎚の作り方 大地の表情を金鎚に写し取る
オリジナルを追求するためには道具の自作が欠かせません。岩石の表情を写し取ったボコボコの打面が特徴の石目鎚。その制作は火を起こすところから始まります。
上:炭火で金鎚が赤くなるまで加熱 / 下:熱した金鎚を岩石に打ち付け表情を転写