木目金(もくめがね)とは、異なる種類の金属を複数枚重ね合わせ(例えばシルバーと銅)、熱で溶着したのち、削り出すことによってもくめのような文様を浮かび上がらせ作品の意匠の一部とする日本発祥の金属工芸の一つです。

【木目金の作り方】

木目金の制作は、使用する素材に対する多角的な知識と実際に溶着する技術、さらに完成時の模様を予想しながら削る熟練度が求められるので中途半端な意気込みではなかなか制作できない代物と言えます。その制作方法を簡単に説明すると、ふたつ以上の異なる金属を重ね合わせて素材の違いによる模様を表出させるという原理。適した素材はシルバー、プラチナ、カラーゴールド、銅などが基本ですが、チタンやジルコニウム、タンタルなどレアメタルを使った最先端の木目金もあり、その鮮やかな輝きにも目が離せません。

 

今回は色の違いが分かりやすいシルバーと銅で木目金の板をつくりながら、その模様ができる仕組みと工程全体を紹介したいと思います。

〈1.材料準備〉

シルバーと銅の板を表面の酸化をとりながら平らに磨きます。

〈2.交互に重ねる〉

交互に重ねたシルバーと銅を鉄でできたフレームにはさんで加熱します。シルバーと銅は相性が良く接触する面は、母材よりも融点が低くなり、接着剤の働きをする融点の低い金属「ロウ材」を必要としません。技術的な話になりますが素材そのものを溶着させる「拡散接合」が木目金の明瞭な模様を表現するのに欠かせない重要ポイントになります。素材の組み合わせによってロウ材を挟むこともありますが、厳密に見ると色味の異なる別の金属が挟まっている状態なので色の差異が不明瞭になって美観を損ねかねないのです。

〈3.加熱〉

シルバーの融点が961℃、銅の融点が1084℃ですが、シルバーと銅の接触面ではなんと融点が750度まで下がります。(この温度は共晶点と呼ばれます。)バーナーで加熱しながらシルバーと銅の境界をよく観察すると液化したシルバー銅合金(日本の伝統的な合金で四分一「しぶいち」と呼ばれる)がキラリと金属光沢を放ちます。この光沢が一部分ではなく重ねた地金の全体に発生させる火加減が技のポイントです。加熱し過ぎればすべての部分が四分一化して、木目が無くなってしまいます。加熱の際にはバーナーの燃焼バランスを整えることが炎の強弱以上に大切です。

〈4.溶着〉

バーナーや電熱炉を使って750℃近く加熱し、シルバー銅合金が光沢を見せ始めるので、これを拡散接合の目安とします。

〈5.取り出し〉

取り出した塊はすすけていますが、よく見るとシルバーと銅が交互に重なった層を確認できます。

〈6.打ち伸ばす〉

塊を叩くとミルフィーユのような層を維持したままどんどん薄くなります。叩くことで金属がしまってどんどん硬くなる加工硬化作用を、何度かバーナーで熱しつつ硬さをとりながら叩く繰り返し作業です。

〈7.模様を削る〉

板状になった表面をドリルで丸くカップ状にえぐりとったり、鏨(たがね)で溝を直線に彫ったり、リューターの回転刃で自在に削り取ったりして複雑な凹凸にします。これが木目模様のきかっけとなります。この工程は、完成図を頭に思い描く作者の自由なやり方で進められていきます。

〈8.平らにのばす〉

例えると、板の表面に等高線地図の山脈ができた状態になります。今度はさらにこの出っ張りを叩いて平らに打ちのばしていきます。この作業の合間にも何度もバーナーで熱して硬さをとりながら叩き続けます。

〈9.はっきり表れた模様〉

板が均一に平らになったところで木目金の板が完成しました。完成といってもあくまで素材の完成なので、この後に板を丸く成型する本来の加工が待っています。このように木目金制作では、全行程の半分以上が材料の準備になるのです。

【実際に木目金を触ってみたい!】

SORAでは基本の貴金属の木目金はもちろん、チタンやジルコニウムを使ったレアメタルの木目金も制作しています。レアメタル木目金は、溶着がとても難しく大量生産に向いていないので、大々的に商品化しているメーカーは少なく、作家の展覧会などでしか接する機会がありません。表参道のSORAショップでは木目金のサンプルを展示しているのでいつでも試着できます。

(「KIHADA(キハダ)」 木目金の素材:プラチナ・ホワイトゴールド・グリーンゴールド)

【SORAの最先端レアメタル木目金】

レアメタルは金属アレルギーが起こりにくいので、毎日身に着ける結婚指輪にとても適した素材です。酸化皮膜による目を見張るほどの鮮やかなマーブル模様と、金属アレルギーフリーのいつも身に着けられる安心感が何より最大の特徴です。シルバー、ゴールド、プラチナを使った貴金属の木目金は、品位や色の調整、または強度を出すため、銅などの多種多用な金属を微量に添加せざるを得ません。これらが長期的に考えると金属アレルギーの原因になりかねないこともあるので、先々のリスクを考えて絶対に安心な選択にチタンやジルコニウム、タンタルを使ったレアメタルの木目金はとても喜ばれています。

(「OFFSHORE(オフショア)」 木目金の素材:チタン・ジルコニウム)

<SORAの木目金『TERRAMETAL(テラメタル)』とは>

SORAでは木目金の姿を木の年輪に例えるだけにとどめたくないことから、地球をあらわす「TERRA」より着想を得た造語「TERRAMETAL(テラメタル)」と呼んでいます。それは、ひとつひとつの模様がつくり手のコントロールを超越する偶然性の産物であり、大自然の法則に仕上がりを託した自然の造形「大地の模様」であるとの考えからです。地球を愛する者のための金属「テラメタル」に地球の鼓動を感じて、自ずからある物へ畏怖の気持ちを忘れないふたりの結婚指輪として奥深い世界観を表現します。

 

【その他の木目金取り扱いショップ】

杢目金屋(もくめがねや)」

日本で唯一の木目金専門結婚指輪ブランド。グリ彫りと言われる加工法を考案した秋田の金工師:正阿弥伝兵衛の作品復元など、伝統技法としての木目金研究で成果を残す結婚指輪ブランドです。

 

一緒に読まれている関連記事

・【和装に合うと大人気!】木目金の結婚指輪・婚約指輪を紹介
・【個性的デザイン】ここがスゴイ!進化した「木目金」結婚指輪の5大特徴