村上様のオーダーメイドの指輪
SORAでの指輪づくりから5年を経て、3つの指輪と過ごすふたりの新たな日々について、お話を聞かせていただきました。
プロポーズのための婚約指輪
俊様がお一人でSORAに訪れたのは2015年の春。初めてふたりで旅行する先でサプライズプロポーズをすることを決意した俊様は、特別な想いを込めて婚約指輪をつくりました。
旅行の行き先は、カンボジアのアンコール遺跡の寺院アンコールワットです。
プロポーズの瞬間をずっと残したいという想いで完成したのは、「アンコールワットに沈む夕日と昇る朝日」を表現した婚約指輪です。
日を浴びて東雲色に輝くアンコールワットをピンクゴールドのなだらかな山の形で、沈んでは昇る太陽をダイヤモンドで表現しました。そして俊様が用意した、カンボジアでしか採取できないラタナキリブルーの青い石を留めて。
当時の俊様の感想には、こう書かれてありました。「目の前でサーっとデッサンしてくれて感動しました。テーマは決まっていたものの、実際に形にするにはどうしたらよいか分かりませんでしたが、期待以上の形です!」
思い返せる指輪でよかった!
「プロポーズの時は、すごく緊張していましたね。」と、指輪を受け取った梓様。「指輪を用意してプロポーズするタイプだと思っていなかったので、驚きました。でも、一所懸命考えて作ってくれたんだと感じて、すごく嬉しくなったんです。今も見るたびに当時のことを思い出します。写真ではなく物で思い出せることってなかなかないので、とても良かったです。」
俊様は「意味のある特別なものをつくりたかったし、相手にもその意味をずっと記憶に残してもらえるものを作りたかった。今見返してもプロポーズの時のことや付き合いたての頃を思い出せるので、あの時ちゃんとこだわって作って良かった!」
SORAでの結婚指輪づくり体験
プロポーズの1年後、今度はふたりで結婚指輪をつくることに。初めて指輪のオーダーメイドを体験された梓様は、感想をこう話してくれました。
「ふたりともが気に入るデザインが他店では見つからないので、どうせならふたりとも気に入ったデザインで見た時に嬉しくなるような指輪をにしたいなと思い、SORAのオーダーメイドにしようという話になりました。」
「実は、具体的にどういうデザインがいいか全然決まっていない状態で、来店したんです。『何しに来たんだよ』っていう感じになるかとドキドキしてたんですけど、実際はちょっとお話をしただけでさっと素敵なデザインを描いてくださって、想いがこんなふうに形になるんだって感動しました。形になってデザインになった時点で『おーっ!』てなって、実際に指輪ができた時点で『本当にこうなった!』っていう嬉しさでいっぱいになりましたね。」
結婚指輪のテーマは「空」
「旅行の目的が『空を見ること』になったのは、この結婚指輪がきっかけです。」と俊様。
「一緒に色んな場所の空を見ようねっていう約束と世界中の空を周れるようにっていう意味を込めて、このデザインにしようと決めてから、目的地を選ぶ時に空がきれいに見える所っていうのになりましたね。」と、梓様もうなずきます。
完成した結婚指輪は、朝焼けから夕焼けまでの空の色の流れるラインが1周してつながり、世界の空を巡るふたりを表現。内側には、手描きの飛行機のオリジナルマークを刻んで。
おふたりは、結婚指輪を『空』に決めた理由をこう語ってくれました。
「アンコールワットで壮大な夕陽の景色を目にして、ふたりの人生観が変わったように感じます。旅先でいろんな景色を見て行くと、記憶に残るシーンというのはいつも空が関わっているなって。空を眺めていると無心になれますし、お互い空っぽに近い状態なんですが、繋がっている感覚があります。嫌なことも忘れられるし、明日からまたがんばろうという気持ちにもなるし、次の旅行に向けた楽しみもできる。結婚指輪のデザインを考えることは、普段話さないことを話すきっかけになりましたね。」
指輪に込めたオリジナルのグラデーションカラーについて、おふたりはこう教えてくれました。
「新婚旅行で行ったウユニ塩湖を、昼間から夕暮れ、夜にかけて見てたんですけど、空がまさにこの色だったんです。」
ふたりになって広がった世界
ふたりで旅行に行くようになってからは、事前に細かく調べる俊様と気分で行動する梓様は、旅行の仕方も変わったそう。
「私がここに行きたいって言うと調べてくれて、意味を知ることでなるほどと思うことが増えて、楽しくなりました。」「自分一人だったら行かないような場所も行くようになったり、食べ物への関心が高まったり、映画をたくさんみるようになったり、お互い影響を受けていますね。」とおふたり。
「旅行やお酒がなど色々共通して好きなことがあって、独身の時も良かったんですけど、今となってはもう二人じゃないとあまり楽しめないっていう風になってきて。大きな出来事があるわけじゃないですけど、時々美味しいねって食べてる時にじんわり一緒にいて良かったなって思ったりします。」と俊様。
おふたりの言葉の節々から、おふたりが最良のパートナーであることが感じられますね。
ふたりが目指す場所
指輪づくりから「ふたりで空を見ること」を1つの目的にしたことで、空が広く見える場所に家を建てることを決めたり、旅行の行き先をこだわったりと、ふたりらしいいい選択ができるようになったそう。
「二人それぞれ好きなものが別々だったりしますけど、世界旅行に行きたいっていうのは共通しているので、それが生きがいですね。」「仕事とか毎日大変だけれど、お金を貯めて色々な所に行くっていう目標があると、そこはブレずに頑張れるというのはありますね。」とおふたり。
世界旅行の夢、空を描く結婚指輪とともに
サプライズで用意された婚約指輪と、これからの未来を描いた「空」の結婚指輪。3つの指輪は、おふたりにとって特別な存在です。
「時々指輪を外してはクルクル回して、色を眺めて元気をもらっています。誰に言うわけでもないのに、これは特別なものなんだって自分の中で思えて、嬉しくてニヤニヤしたりします。」との梓様の言葉。
そして「将来世界一周に行った時は、ゴールをカンボジアにしようと思っています。またその時にこの指輪とアンコールワットの夕陽と写真を撮れたらいいですね。」という俊様の言葉が印象的でした。
おふたりの出発点であり、目指す到達点でもあるカンボジア。いつの日にか、世界中の空の色に染まった指輪を手に、笑顔のおふたりがその地に立つことを願っています。