田口 百恵 クリエイター

それは、アルマ天文台をモチーフにした作品でした。
担当クリエイターとして、お客様と直接お話しさせていだだきましたが、指輪へ強い想いを感じました。
「内側に、アルマ天文台に設置されている『パラボラアンテナ』をモチーフにした浅い窪みを作りたい」というご希望を聞いた当初、そのイメージのままの制作はとても難しく感じました。
というのも、つくることはできても、今後のメンテナンスの際に、磨き直しによって浅い窪みが少しずつ摩耗し、こだわりのパラボラアンテナが指輪から消えてしまうことが想定されたからです。担当クリエイターとしては、今後末永く身につける結婚指輪とには、とてもおすすめできませんでした。

今後のリスクをお話することによって、オーダーの段階では、メンテナンス性を考慮した少し深めの窪みになることをご了承頂いておりましたが、どうにかお客様のご希望に沿ったイメージで、その問題をクリアした形状をおつくりできないかと、試行錯誤しました。

先輩クリエイターからアドバイスも頂きつつ、深さや形状を細かく調整しながら試行錯誤した結果、お客様のご希望に適いつつ同時にメンテンナンス性もクリアした形状の指輪を完成させることができました。

出来上がった指輪のお渡しの際にご挨拶させて頂くと「（パラボラアンテナが）イメージより深いんだろうなあと思っていたら、完璧でした！！」とお声を頂きました。

喜んで頂けたことや想いに応えられたことが嬉しすぎて、アドバイスを頂いた先輩クリエイター達に言い回るくらい「頑張って良かった！」と思えた、思い出の指輪となりました。
お客様お客様の熱量や想いに応えられたとともに、技術面でもマインド面でも自分自身の成長を感じられました。