フォーリア

新デザインプロジェクト

フルオーダーメイドを専門とするSORA表参道本店は、日々新しいアイデアやデザイン、技術が生まれるクリエイティブ空間。ショップのすぐ上に工房があることで、お客様と同じ空間と時間を共有したデザイナーとクリエイターは密接に連携し、ふたりだけの指輪はつくられます。

 

表参道本店では、オーダー品以外にも新しいデザインがつくられます。今回は、新デザイン「フォーリア」の制作過程をご紹介します。

戸川 木蘭(とがわ もくらん)

デザイン「フォーリア」はどうやって生まれた?

【案内役】戸川 木蘭(とがわ もくらん)

FOLIAの生みの親。SORA歴3年の表参道本店デザイナー

デッサンを使ったオリジナルデザインの提案が得意。「おふたりから生まれるものは必ずある!」がデザイナーとしての信条。「何のイメージがない状態でもお話させていただくことで、ふたりの中にあるデザインを引き出すことができます。」

お客様とのやりとりの中で生まれるインスピレーション

私が日々お客様とオリジナルデザインを考えていく中で、「こんなデザインがあったらいいな」というものを形にしました。「今までにないデザインでSORAらしいものを」との想いから、以下の3つのことを目指しました。

 

フォーリアのコンセプト

①新しいV字フォルム
②デザインに溶け込んだカラー使い
③手けずりで表現する植物の有機的な動き

①新しいV字のフォルム

モチーフは「植物の葉」。いままでにないV字のフォルムが欲しかったので、真っ先にV字という条件を決めました。ただのV字デザインではなく、Vのフォルムを植物のもつしなやかな動きで表現しようと試みました。

クリエイターの荘司とともにいくつものデッサンとフォルムサンプルをつくり、一緒に意見を出し合い、見え方やバランスを確認していきました。

②デザインに溶け込んだカラー使い

ジルコニウムカラーを生かしたSORAの多くのデザインは、クリークやエクリプトなどのようにライン自体がメインとなるデザインです。今回はそれらとは異なったアプローチを試みました。葉のフォルムをメインデザインとして、その表現の一部にカラーをアクセントで使うことを意識しました。つまり、ラインデザインではないけれど、葉のデザインに溶け込んだラインデザインのようなカラー使いを目指した、ということです。

 

やわらかに包まれる葉の隙間の空間を滑らかな曲面と鏡面仕上げで表現し、多色性のあるカラーやグラデーションでみずみずしさを出しました。

③手けずりで表現する植物の有機的な動き

SORAのデザインは私たちを取り巻く自然から着想を得ていて、フォーリアは植物のもつ有機的な流れをイメージしています。

 

葉や茎のしなやかな動き、葉の端の薄く丸まる繊細な部分を、クリエイターが丁寧に削り出して表現しています。

フォーリアは同じデザインでも、細部の手作業によって個性やニュアンスが出やすいデザインです。優れた観察眼とそれを実現できる細かなやすり使いのできるクリエイターに制作をお願いしました。

型に流し込んでつくる鋳造法のお店が多い中で、金属に直接触れて削ったり叩いたりする直接加工法が「SORAらしさ」を生んでいると感じています。作品1つ1つにしっかりと向き合うこの制作方法は、オーダーメイド専門店ならでは。人を介して生まれる感性やハーモニー、息遣いをSORAでは重要なデザイン要素と捉えています。

クリエイター 荘司 岳

クリエイター 荘司 岳

担当したクリエイターである荘司は、フルオーダーのオリジナルデザインを主に担当し、特殊なオリジナル性の高いフォルム、発色加工技術を使った繊細な色表現を得意としています。

「デザイナーの想いを汲み取り、ともに練り上げ、形にする喜びを『フォーリア』で体現できたと思います。作り込めば作り込むほど、それに応えて様々な表情を見せてくれる作品になりました。」

荘司の作品

個人作品では、魚などの海洋生物をモチーフとした作品を多く制作。卓越した表現力で、生き生きとしたユーモラスな生き物の動きに目を奪われますね。

完成したフォーリアを見て

完成したフォーリアを持って、代々木公園での撮影に同行しました。太陽の光に当たって、指輪が美しく輝いているのを見て、心が踊ったのを覚えています。フォーリアの完成を通して、1つの作品がインスピレーションから始まりデッサンから指輪の形となり、世に出るまで喜びを味わえたことは大きな経験です。

フォーリアの着用イメージ

結婚指輪のデザインとして、オリジナルデザインの表現方法として、取り入れてもらえる日を心待ちにしています。ぜひ、表参道本店でご覧ください。