新年、明けましておめでとうございます。
2024年の幕開けに相応しい、干支の指輪「辰」のご紹介です。
SORAの年末の風物詩といえば、SORAの創業者であり代表である丸山聰の「干支の指輪」の制作です。
自然や生き物を愛してやまない丸山の観察眼と卓越した造形力が、伝説上の生き物である龍にも生命を吹き込みます。
干支の中でも最も縁起が良いとされる「辰」、天に昇る龍に皆様の飛躍を願って制作しています。
2024年の干支「辰」
2024年の干支「辰」
十二支の「辰」にあたるのは、唯一架空の生き物である龍(竜)です。
中国では龍は麒麟、鳳凰、霊亀とならんで、四種の霊獣の一つで、四種の中で最も力がある動物とされています。 神様と人の橋渡しをしてくれている存在ともいわれ、時には神格化され神社などに祭られています。
日本においては、航海の守護神や、雨乞いの神として信仰されてきたそうです。日本には、もともと自然を神とする信仰があり、そこに中国から伝来した文化や、中国の神獣・霊獣である竜が融合して日本の竜が誕生したと考えられています。
古代より人間を超越した存在として描かれてきた龍。丸山は、龍は人間の「願望」が創り出したものだと言います。
大きくうねりながら迫る龍は、圧倒的な力を持つ森羅万象のエネルギーそのものの象徴。作品には、昨今の人間の横暴な振る舞いに対する怒り、私たち自身への戒めの念、自然に対する畏怖の念、そんな感情が込められています。
指輪の制作過程
今回は、粘土(原型)→シリコン(雌型)→ワックス(雄型)→石膏(雌型)→銀(完成品)と、素材を変えて何度も型を取り、鋳造(ちゅうぞう)によって純銀の指輪が制作されました。
実際の制作にあたっては、イメージデッサンを描いて、いくつかの龍を粘土で成形しています。
制作過程【1】粘土の原型
一般的な鋳造の指輪制作はワックス(ロウ)を削ってワックスの原型をつくりますが、細部までこだわる作品では、オブジェ制作に用いる「粘土で原型をつくる」方法をとっています。写真は、今回一緒に粘土で制作された別バージョンの龍。
制作過程【2】ワックス原型
粘土の原型をシリコンゴムの液体に沈めて固め、シリコンゴムの雌型をつくり、そこにワックスを注入して固め、ワックスの型をつくります。写真は、複数のワックスの龍です。そして再び、型取りのために形を整えます。(写真の奥には、シリコンの型取りの際に崩れた粘土の原型が写っています。)
制作過程【3】石膏(せっこう)の雌型
ワックスの型に湯道を作って石膏で固め、ワックスを溶かして湯道から取り除き、石膏の鋳型(いがた)をつくります。この制作方法は、制作過程でワックスが失われるので、ロストワックス法と呼ばれます。
制作過程【4】鋳造と仕上げ
石膏の鋳型に、溶けたシルバー(純銀)を流し込み、固めます。石膏の鋳型から固まった金属の指輪を取り出し、表面を磨きます。
完成
完成
炙ることで酸化させて黒くし、表面の仕上げを施して、猛々しい龍の完成です。
「指輪」の概念を覆すような、指輪をつける者を支配する龍の指輪。目を見張るサイズとずっしりとした重さが特徴です。
丸山 聰 作「辰」制作の様子
干支作品の一部を紹介
2020年「子」
2021年「丑」
2022年「寅」
2023年「卯」
飛躍の年へ
飛躍の年へ
皆様にとって、2024年が飛躍の一年になりますように。
辰の指輪が表参道本店にて、皆様をお迎えいたします。今年もSORAを何卒よろしくお願いいたします。