佐藤 寛朗
  • 職種

    デザイナーチーム チームリーダー

    デザイナー

  • 資格

    1級貴金属装身具制作技能士

  • 入社年

    2017年

指輪のある人生について想いをめぐらす
その時間そのものが貴重なんです

SORAデザイナー 佐藤

指輪は「入れ物」

僕は1級貴金属装身具制作技能士として、多くの金属素材の特性を熟知しています。メカニカルな指輪を求めるお客さまに対して、的確な説明ができるのは強みです。ただ最近は、単に難しいものを作ればいいとは考えていません。「来店されたお客さまに、どのようなデザインの指輪が最も似合うか」を第一に考えて接客しています。

 

SORAのメインコンセプトは「指輪は入れ物である」ということ。僕は接客する際、まずこのコンセプトをはっきりとお客さまに伝えます。「SORAはこういうことをやっています。さて、お2人にとっての結婚指輪はどのようなものですか?」という話から始めるんです。

 

この作業は、美術の先生が学生を指導する過程と似ているように感じます。この学生は何を求めているのか、何を作りたいのかを聞き出して、どう導くべきかを考える。もちろんデザイナーとして行きたい方向性はあるのですが、我が出すぎても、お客さまの言いなりになるのも良くない。その2つが良いバランスになるよう、会話の中で探っていきます。

SORAデザイナー 佐藤

「指輪のある人生」に想いをめぐらせる

お客さまとのコミュニケーションで気を付けている点は、お客さまの要望を聞き出すより、まずSORAのコンセプトを理解していただくことに時間を割きます。初期段階で目指すべきゴールについて納得していただいていないと、制作が進むにつれて意識のズレが生じてしまいますから。

 

その上で、お2人には「この指輪を付けて、どのような人生を歩んでいきたいですか?」と質問するようにしています。ここで、お2人が指輪のある生活について真剣に考えていただくことが大事です。そうしないと、SORAでの「体験」が、ただ指輪を選んで買うだけの「行為」になってしまいますから。

 

まだこの世に存在しない指輪について想いをめぐらせることは、お2人がその指輪を付けて、どのような人生を歩んでいくかを想像する行為でもあります。それに費やす時間が、とても重要なんです。指輪は単なるモノではなく「入れ物」であって、そこに2人の想いが宿る。そうした体験こそが、SORAで指輪を作っていただく一番の価値だと考えています。

思い出に残る指輪

思い出に残るリングストーリー

ご夫婦の出会いのエピソードなどをいろいろと聞かせていただいても、デザインを決める段階で的確なワードが出てこない、というケースが稀にあります。その解決策の一つとして、「指輪にタイトルを付けてください」という話をするんですね。すると、旦那さまが、それまでのエピソードをまとめて、指輪にぴったりのストーリーを出してくれたことがありました。

 

デザインとして具現化されない場合でも、お2人が真剣に指輪について深く考えてくれることで、その指輪に込められる「想い」は強くなります。結婚指輪の制作が、「指輪のある人生について考える」場になるんです。そうした意味でも記憶に残る接客になりました。

 

「美しさ」は主観的なもの。何をもって美しいとするかに、正解は無いと思います。ですから、僕は自分の中の「究極の美」を追求するより、お客さまにとっての「究極」を提案できるようになりたい。そのために、これからも自分を磨いていきます。