結婚指輪は、二人の絆を象徴する特別な存在です。二人の人生に長く寄り添い、身につけるものだからこそ、耐久性はとても重要です。日常生活の中で傷や変形に強いか、永く輝きを保てるかは、選ぶ素材や制作方法によって大きく変わります。この記事では、結婚指輪に必要な耐久性と、それを高めるための選び方について詳しく解説します。
結婚指輪の耐久性は重要か?
これから先、二人が歩む未来の中で、結婚指輪は数えきれないほどの特別な瞬間に立ち会います。結婚式の日、10年目の記念日、そして50年後の穏やかな日々…。その時々に刻まれる傷は、二人の絆の証とも言えるでしょう。だからこそ結婚指輪には、日常の摩耗や衝撃に耐えながら、長い時を超えても美しさを保っていることが求められます。
1日の始まりから終わりまで、結婚指輪はいつも二人の指に寄り添います。朝、家で食事を用意する時、仕事でキーボードを叩く時、家族で楽しいひとときを過ごす時、大自然の中で体を動かす時、日常の様々な瞬間に、自分の指に指輪があることをイメージしてみましょう。日常生活で手を頻繁に使う私たちは、指輪がぶつかったり擦れたり、数えきれない物理的な接触にさらされています。
耐久性とは、壊れにくいだけではありません。どんな環境の中でも変わらない輝きで、二人の未来を照らし続ける強さを持っていること。結婚指輪は、人生の喜びや試練をともに乗り越え、二人の絆を支える象徴です。いつもそばで二人を見守り、未来への希望を映し出す結婚指輪だからこそ、耐久性はとても重要なのです。
結婚指輪における「耐久性」とは?

結婚指輪における「耐久性」とは?
結婚指輪の「耐久性」とは、金属や宝石が持つ物理的な強さだけではなく、日常生活の中で美しさを保ちながら長く使い続けられる性質のことを指します。硬度や耐摩耗性、疲労強度、耐衝撃性などをまとめて、結婚指輪の「強度」と表されることが多いです。
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耐腐食性
酸化しにくく、錆びない素材。汗や皮脂、家庭用洗剤、温泉水で変化しない。 -
耐熱性
高温環境でも変形や変色を起こしにくい。 -
耐摩耗性
摩擦によって削れにくく、表面が傷つきにくい。 -
硬度
強い衝撃や圧力を受けても変形しにくく、形を保つ。 -
疲労強度
適度な粘り強さを持ち、割れにくい柔軟性で破損を防ぐ。 -
耐衝撃性
落下や打撃などの衝撃に強く、日常のトラブルにも対応。 -
持続的な光沢
時間が経っても表面の光沢が失われにくく、美しさを長く楽しめる。
耐久性の高い金属素材とは?
結婚指輪専門店で扱うのは、どれも熱や腐食、傷や変形に強い耐久性のある素材です。しかし、配合の違いで少しずつ耐久性の質にも違いが出てきます。より耐久性を求めるのであれば、素材にもこだわりましょう。
ここからは、結婚指輪の定番とされるプラチナやゴールドと、金属アレルギー対応のチタン・ジルコニウム・タンタルについて見ていきましょう。
プラチナ

プラチナ
酸やアルカリに対して強い耐食性を持ち、化学的に非常に安定しています。純度の高いプラチナは展延性(広がり延びる性質)に富んでいますが、結婚指輪としては柔らかすぎるため、一般的にパラジウム、ルテニウムなどを混ぜたプラチナ合金が使用されています。SORAでは、プラチナ90%にイリジウムを10%混ぜた合金を使用しています。
プラチナの配合金属であるイリジウムとは?
プラチナと同じ白金族であり、地殻における埋蔵量はプラチナの10分の1という最も希少な貴金属。全元素の中で2番目に重く、白く明るい色調を持ち、金やプラチナさえ溶かす王水にも常温では溶けない、最強の耐食性を持つ金属です。隕石によって地球にもたらされたと言われています。
ゴールド

ゴールド
腐食に強く、あらゆる金属の中で最も展延性に優れています。プラチナと同様に、結婚指輪としては純金は柔らかすぎるため、硬度や色を調節するために別の金属を混ぜる場合がほとんどです。SORAの独自配合のカラーゴールドは、硬度があって変色しにくく、華やかな黄金色を楽しめます。
- イエローゴールド(22K)
適度な硬さをプラスするため、Ag(銀)とCu (銅)を8.3%混ぜた、限りなく純金に近い色味のゴールド。高品位から生まれる深い黄金色が特徴です。 - オレンジゴールド(22K)
Cu (銅)を8.3%混ぜて適度な硬さに整え、赤みをプラスしています。 - グリーンゴールド(22K)
Ag(銀)を8.3%混ぜたレモンイエローのような色。柔らかい合金のため、他の金属と合わせた複合素材デザインや木目金の素材として使用されます。 - ピンクゴールド(14K)
Cu (銅)とPd (パラジウム)、In (インジウム)を約40%配合し、硬さのある合金です。他店にはないピンク色の彩度の高さで人気です。 - ホワイトゴールド(14K)
Pd (パラジウム)を約40%配合し、十分な硬さを持ちます。金の有彩色を完全に抑えた無彩色で、プラチナと比較すると落ち着いたグレー色です。
チタン

チタン
軽量・高強度で金属疲労が起こりにくく、錆に強い優れた耐食性を持ちます。生体親和性の高さからアレルギーが起こりにくいため、人工関節にも使用されています。
SORAでは、純チタンとチタン合金を使い分けています。多くの結婚指輪は「純チタン」を、ダイヤモンドを宙に浮かせて留めるノッチグリップセッティングの婚約指輪は、強度と靭性(じんせい)のある「α+βチタン」を使用しています。
→SORA独自の石留法ノッチグリップセッティング
ジルコニウム

ジルコニウム
チタンと似た性質でありながら、化学薬品に対してチタン以上の優れた耐食性を持ちます。機械的な強度も高く、工業用途として塩酸、硫酸などの過酷な製造装置の素材としても利用される高機能なレアメタルです。
また、表面に形成される酸化皮膜は、緻密で安定しているため金属の溶出がなく、金属アレルギーを起こしにくい性質を持っています。その酸化皮膜の形成によって、鮮やかなカラーの発色が可能であり、色の耐久性が高いことも特徴です。
タンタル

タンタル
高い硬度と優れた展延性を合わせ持ちます。硫酸や王水にも溶けない非常に強い耐酸性を持ち、酸以外のさまざまな腐食の原因に対しても優れた安定性があります。
生体親和性が高く人体にも無害とされることから、人工骨や歯科インプラントなどの医療製品の分野でも使用されています。光の反射率が全金属の中で最も低いダークグレーの金属で、宇宙で最も少ない元素とも言われる大変希少な金属です。
強度に対する素材比較

強度に対する素材比較
傷や変形に対する強度面の比較では、チタン・ジルコニウム・タンタルは、プラチナやゴールドよりも大きな優位性を持ちます。日々素材を扱っているクリエイターに聞くと、以下のような体感だそう。
ジルコニウム>チタン>タンタル>プラチナ・ピンクゴールド・ホワイトゴールド>イエローゴールド>オレンジゴールド>グリーンゴールド
【豆知識】
・同程度の硬さでも、チタンやジルコニウムは軽いため、落とした時の衝撃が弱くなる分、傷がつきにくい。逆にタンタルは重いため、落とした時の衝撃が強くなり傷がつきやすい。
・3種類以上の素材を混ぜると固くなりやすい
・例えば、ホワイトゴールドは粘りがあるのに対して、ピンクゴールドは粘りがない硬さで削りやすい、という質の違いがある。
耐久性の高い結婚指輪の製法(制作方法)とは?
結婚指輪の制作方法には、鍛造(たんぞう)、鋳造(ちゅうぞう)、切削(せっさく)等があり、耐久性にも影響を及ぼします。SORAの指輪は、素材によって主に鍛造と切削で制作されています。
鍛造(たんぞう)

鍛造(たんぞう)
プラチナやゴールドなど展延性のある金属を、圧力をかけながら変形させて成形していく方法です。その名の通り鍛えて造る方法で、SORAでは、金属の塊のまま直接たたいたり、伸ばしたり、削ったりして制作していきます。たたく過程で金属の結晶が整い、強度が増し、気泡などの内部欠陥がなくなり粘り強さが生まれます。また密度が高いため、鋳造と比較すると重量感が出て、磨いた時の輝きも強くなります。
鋳造(ちゅうぞう)

鋳造(ちゅうぞう)
金属を熱して液体にして、用意された型に流し込んで冷やし固める制作方法です。ロストワックスとも呼ばれる技法で、ロウで原型をつくり、その型に溶けた金属を流し込んで指輪の形を成形します。型に金属を流し込む過程で、金属の内部に小さな気泡が入りやすくなります。この気泡は鋳巣(いす)と呼ばれ、鍛造に比べると強度などの面で劣ります。
切削(せっさく)

切削(せっさく)
チタンやジルコニウムといった硬い金属を、高密度の金属の塊から直接削り出す方法です。切削機で削り出していき、細部や仕上げは工具を使って手作業で仕上げます。
機械切削が困難な超難削素材として有名なタンタルは、特殊な鋼の刃で切削します。
耐久性の高い宝石の種類は?
耐久性の高い宝石として有名なのはダイヤモンドやサファイア、ルビーですが、耐久性の質は少しずつ違います。宝石の耐久性を表す基準として、「硬度」と「靭性」、「安定性」があります。
- 硬度:表面の傷つきにくさ、耐摩耗性
- 靱性:割れや欠けに対する耐久性
- 安定性:熱、光、湿度、化学薬品に対する耐久性
他にも、劈開(へきかい:結晶構造の割れやすい方向)の有無やインクルージョン(内包物)、石留めの方法でも、耐久性が変わってきます。
宝石の硬度と靱性
石の種類(一例) | モース硬度 | 靱性 |
---|---|---|
ダイヤモンド | 10 | 強い |
サファイア・ルビー | 9 | 非常に強い |
アレキサンドライト | 8.5 | 非常に強い |
アクアマリン | 7.5~8 | 普通 |
エメラルド | 7.5~8 | 弱い |
ガーネット | 7~7.5 | 普通 |
ダイヤモンド

ダイヤモンド
世界一硬いと言われるダイヤモンド。ダイヤモンドを傷つけられるのは、ダイヤモンドしかありません。
耐久性に加え、希少性やカットされた石の輝きから永遠の象徴として人気があります。硬度が抜群に高く、サファイア・ルビーといったコランダムの何倍もあり、靱性も高めです。美しいカッティングができる代わりに、一定方向に割れやすい劈開性を持ちます。
※SORAでは、10色のカラーダイヤモンドをご用意しています。
※硬い金属素材であるジルコニウム・チタン・タンタルと組み合わせる場合は、石留めの際の石割れのリスクを考慮して、ダイヤモンドをおすすめしています。
サファイア・ルビー(コランダム)

サファイア・ルビー(コランダム)
ダイヤモンドに次いで硬いサファイヤやルビーは、靱性に優れています。同じ鉱物コランダムの青色の宝石名がサファイア、赤色の宝石名がルビーです。9月や6月の誕生石としても知られており、結婚指輪の表面や内側に留めるのも人気です。
アクアマリン・エメラルド等その他の宝石

アクアマリン・エメラルド等その他の宝石
アクアマリンやエメラルド、ガーネット、アレキサンドライト等、誕生石となっている美しい宝石は、宝石の中では耐久性があるものの、ダイヤモンド等と比べると石の留め方や取り扱いに注意が必要です。
指輪への石留めの際の衝撃によって割れるリスクがあること、日常生活でも大きな衝撃が加わると割れるリスクがあることなどを理解した上で、お選びください。
耐久性の高い結婚指輪の選び方は?
1.耐久性のある素材を選ぶ

1.耐久性のある素材を選ぶ
結婚指輪専門店など、高品質の素材を扱っている店舗で選ぶことをおすすめします。
高純度で耐久性も備わったプラチナやゴールドや、強度が高く金属アレルギーになりにくいチタン・ジルコニウム・タンタルがおすすめです。プラチナやゴールドは、配合金属や配合率をあらかじめ確認しておくと安心です。
安価なアクセサリーに使われるような素材は、メッキやコーティングの場合も多く、変形しやすかったり、錆びやすかったりする場合があります。また、そのような素材には、金属アレルギーになりやすい金属(コバルト・ニッケル等)が混ざっていることも多いので、注意が必要です。
結婚指輪に留める宝石も、割れや欠けのリスクの少ないダイヤモンドがおすすめです。
2.適度な幅や厚みのある結婚指輪を選ぶ

2.適度な幅や厚みのある結婚指輪を選ぶ
一般的に結婚指輪の幅は女性は2.0㎜、男性は3.0㎜が人気となっていますが、一層の耐久性を求めるなら3.0㎜以上の幅をおすすめしています。2.5㎜以下の細身なら、強度の高いチタン・ジルコニウム・タンタル素材の指輪がおすすめです。プラチナやゴールドの比較的柔らかい素材は、配合金属や制作方法によっても硬さが変わります。
安価なアクセサリーにあるような極細幅は変形しやすく、耐久性はありません。結婚指輪専門店の主流商品よりも細い指輪のデザインを選ぶ際は、特に注意しましょう。
3.鍛造の結婚指輪を選ぶ

3.鍛造の結婚指輪を選ぶ
国内外問わず、多くのジュエリーブランドの製法は鋳造ですが、素材や製法にこだわる鍛造の専門店もあります。
定番素材で、希少性にも耐久性にもこだわりたい方は、鍛造でつくられたイリジウム割のプラチナの指輪がおすすめです。華やかなゴールドで耐久性にもこだわりたい方は、鍛造のイエローゴールドやピンクゴールドがおすすめです。
強度のある耐久性に加えて個性、希少性を求めている方には、発色ができるジルコニウムやチタン、希少な黒い金属のタンタルがおすすめです。これらのレアメタルは、密度と強度を保つ切削で作られます。
4.アフターサービスが充実している店舗で購入する

4.アフターサービスが充実している店舗で購入する
結婚指輪は何十年先まで、二人で大切に身につけていくものです。指輪をぶつけて目立つ傷がついてしまった、体型が変化してサイズが合わなくなった、磨き直して記念日を祝いたい、留めたダイヤモンドが緩んで取れそうなど、長い年月の間に、様々な困りごとが出てきます。永くアフターサービスを受けられるかどうか、購入店舗で必ず確認しておきましょう。
SORAでは、クリーニングや磨き直し、傷取り、サイズ直し、緩んだ石の留め直し、再制作等、様々なアフターサービスをご用意しています。
アフターサービス
SORAでおすすめの耐久性の高い結婚指輪は?
SORAの結婚指輪はどれも、二人の象徴として永く愛せるような、耐久性が高く美しい素材と制作方法で仕上げています。
耐久性の面で言えば、レアメタルであるチタン・ジルコニウム・タンタルの方が、貴金属であるプラチナやゴールドを上回りますが、どれも十分な強さのある素材なので、二人らしさを表現できる素材を選ぶと良いでしょう。
プラチナの結婚指輪

プラチナの結婚指輪
高品質で耐久性の高いプラチナは、白く明るい輝きでテクスチャーが美しく出る素材なので、鮮明な質感の違いを生かしたデザインがおすすめです。
ねじりのあるデザインにダイヤモンドダストをイメージしたテクスチャーの「白結」、幅と厚みがあるずっしりとしたストレートフォルムに、繊細な霜のテクスチャーを入れた「霜降」はいかがでしょうか。
(左)結婚指輪「白結」
(右)結婚指輪「霜降」
ゴールドの結婚指輪

ゴールドの結婚指輪
耐久性の高いゴールドは、高品位で純金に近い色のイエローゴールドや、他店彩度が高く硬さのあるピンクゴールドが人気です。華やかな色はマットな仕上げで鮮やかに、鏡面仕上げで艶やかに輝きます。
シンプルながらも個性的なテクスチャが特徴の「チューリング」や、2つの素材をより糸のように絡ませて、途切れずに一周する「トワイン」などがございます。
チタンの結婚指輪

チタンの結婚指輪
耐久性のあるチタンはバイクや車好きの方に人気が高く、インダストリアルなデザインがおすすめです。
工業部品のヒートシンクをイメージした「ヒートシンク」やダイヤモンドを宙に浮かせて挟む、ノッチグリップセッティングを使用した結婚指輪デザインが個性派におすすめです。
ジルコニウムの結婚指輪

ジルコニウムの結婚指輪
耐久性の高いジルコニウムは、酸化皮膜によって色づく素材。鮮やかな発色で色に想いを込めたデザインが人気です。
小川の流れをイメージしたラインを彩った結婚指輪「クリーク」や、青空を突き抜ける飛行機雲のデザイン「コントレイル」など、お好きなカラーにお二人のストーリーを込めてお選びください。
タンタルの結婚指輪

タンタルの結婚指輪
耐久性の高い素材タンタルは、希少なダークな色味を生かしたデザインが人気です。
ブラックダイヤモンドを留めて、日食をイメージしたデザイン「トロー」や夜空に輝く二つ星のデザイン「アステリ」など、黒いタンタルで表現する夜空の結婚指輪「NIGHT SERIES」がございます。

SORAはオーダーメイドのため、素材から選んだりデザインから選んだり、様々な方法から、お二人らしい理想の結婚指輪をお選びいただけます。
ぜひ耐久性のある結婚指輪とともに、末永く寄り添って、二人の人生を歩んでいってください。