結婚指輪を身につける期間は何十年にもなります。購入後、ライフスタイルや体型の変化で指のサイズが変わってしまうことは珍しくありません。サイズが大きいまま身につけていると紛失にも繋がります。大切な結婚指輪を再び身につけられるように、サイズを調整します。
サイズ直しの方法
金属を伸ばしたり圧縮したりする方法、指輪を切り離して素材を足し引きする方法や、内側を削ったり内側にパーツを付加したりする方法があります。少しだけきつい場合には、内側の角を調整することで装着感を良くすることもできます。
サイズ直しの注意点
素材とデザインによってサイズ直しができる場合とできない場合があります。加工が難しいレアメタル(ジルコニウム・タンタル・チタン)は、大幅なサイズ直しができない場合があります。
また、サイズの変化が大きいほど指輪への負担が大きくなり、指輪のデザインや石留め、内側の刻印などに影響が出てくる場合があります。まずはスタッフが指輪の状態を拝見し、可能なサイズ直しの方法と指輪へのリスクをご説明します。
▷サイズ直しの詳細とご依頼方法
サイズ直しの6つの方法
大きくする、小さくするどちらの場合も、指輪の素材、デザインに合わせてこれらの手法を使い分けます。
サイズを大きくする方法
1.切り離して素材を足すことで円周を長くする
2.切り離さず、金属を叩いて伸ばす
3.内側を削る
サイズを小さくする方法
1.切り離して一部分を切除することで円周を短くする
2.内側に突起や、パーツを付加して指が抜けないようにする
3.全体を均等に圧縮し縮める
大きくする方法 1
切ったところをひろげて素材を足すことで円周を長くする方法

溶接ができるプラチナ、ゴールドは主にこの方法となります。
宝石がついている場合は熱の影響を受けないようにはずしたり、水に浸けて断熱しながら溶接します。
最後に形を整え、仕上げるので一見して継ぎ足されているようには見えません。
大きくする方法 2
全体、もしくは部分的に叩くことで金属を伸ばし円周を長くする方法

柔らかく展延性がある素材で使われます。デザインが変わったり、内側の刻印がつぶれるので注意が必要です。
大きくする方法 3
内側を全体、もしくは部分的に削り内径を拡げる方法

写真の様に削り跡だらけになるという事はなく、仕上げ工程で鏡面になります。
真円に削るのであれば内側の刻印が消えてしまうので注意が必要です。
小さくする方法 1
一部分を切除することで円周を短くしサイズを縮める方法

溶接が可能なプラチナ、ゴールドは主にこの方法です。
外側、内側共にデザインや刻印の一部分が無くなるので、溶接後に整合性がとれるような部分を切除する必要があります。
依頼時にはどこを切除するのか確認しましょう。
小さくする方法 2
内側に突起や、パーツを組み合わせて内径を小さくする方法

複合素材や、レアメタルなど切断、溶接が出来ない場合に使われます。
内側の刻印が見えなくなる点、また指輪の厚みが出ることで体感が変わる点に注意が必要です。
小さくする方法 3
すり鉢状の穴に叩き込むことで全体を均等に圧縮して縮める方法

切断、溶接が出来無い場合で、さらに内側の刻印を残したい場合に使われます。指輪のデザイン、ボリュームが全周に均一で外側に細工ない場合にはこの方法が使われます。鍛造とも言われ継ぎ目のない指輪は製造段階でこの方法で作られています。