はじめに
SORAでは創業以来、完成した指輪を自然の中で撮影しています。豊かな自然環境と、そこに生きる野生動物を守りたいとの思いから「WILD LIFE」JOURNEY OF RINGは、自然の中で逞しくもけなげに生きる“野生動物(ワイルドライフ)”を追いかけ、その姿を結婚指輪に写し取ります。
近年の気候変動や地球温暖化により、自然環境の変化は著しく、野生動物の生息数が急激に変化したり、種の保存が危ぶまれます。真っ先に環境変化の影響を受ける野生動物が追いやられることなく、生き続けられる自然環境を守る責任が私たちにはあります。
これからは人間が野生動物たちの暮らしを守り、人間と野生動物が共に生活する自然環境を保全していく事が必要ではないでしょうか。SORAの私たちが出来ることは指輪を作ること。指輪に野生動物の姿を映しとり、日々身につけることで自分と自然とのつながりに想いを馳せてみるのはいかがでしょうか。
今回は仲睦まじい夫婦の例えになることの多いメジロについて、その生態や生息環境の変化に迫りたいと思います。
メジロの生態について
スズメ目 メジロ科に属し、その名の通り目の周りの白い縁取りが特徴のメジロ。同じ春を告げる代表ですが、同じく黄緑色のウグイスとは目の周りの色で見分けがつきます。
渡り鳥ではなく、北海道などの寒冷地を除いて日本全域で通年で暮らしており、夏の暑い時期のみ気温の低い山地へ移動したりもするそうです。
メジロは枝に密着して止まることがあり「目白押し」とはその姿が語源だと言われています。繁殖期にはつがいで行動することが多く、二羽が並んで枝に止まる姿が夫婦仲睦まじい姿として話題になります。
メジロの暮らす自然環境の変化は?
千代田区の三井住友海上火災保険株式会社の本社ビル屋上からのモニタリング結果によると、2022年度の飛来数は 2016 年度以来の少なさとなり、それまで順調に増加してきたメジロが大きく減少しているという記述があり、今後のモニタリングが気になるところです。
また、高知の無人島に生息していたメジロが「サンジャク」という外来種が渡来したことでいなくなってしまった事例などもあります。サンジャクは飼育個体が逃げて野生化し、島に生息するようになったそうです。
環境省が2003 年度から開始した「モニタリングサイト 1000」によると、比較的温暖な森林に生息するヤマガラ、メジロ、シロハラ等の分布や個体数が変化する可能性があるとされており、今後が気になります。
参考資料:
メジロと人間が共に生きる方法とは?
花の蜜を好み、春を告げる鳥のイメージが大きいですが、果実も大好きです。秋には路傍の柿の木で目にすることもあるかも。そんな野生のメジロを見つけたら、以下の野鳥観察マナーを守ってじっくりその姿を観察してみましょう。
①野鳥の巣には近づかない
②野鳥を追い回さない
③珍鳥や人気の鳥の情報を公開しない
④周囲の人や撮影場所選びには十分な配慮をする
⑤餌付けや、環境改変は行わない
⑥自然にやさしいマナーを心がけよう
⑦ストロボは使用しない
人間による自然環境を一方的に消費する活動は自然を破壊し、野生動物たちの生活環境をおいやり、野生動物そのものを絶滅させてきました。これからは野生動物たちの暮らしを守り、生活する自然環境を保全していく事が必要です。
そのためにも指輪に野生動物の姿を映しとり、日々身につけて自然とのつながりに想いを馳せてみませんか。
指輪に想いを込める【メジロの結婚指輪】
メジロの可愛らしい形はレーザー加工によるもの。レーザー照射後の窪みにさらに立体的に羽のふくらみや毛並みをレリーフ状に彫刻した後に、その上でジルコニウム発色を施すことで艶やかな黄緑色に輝くメジロがあらわれます。
メジロの特徴である目の周りと腹の白さがくっきりと色分けられ、今にも飛び立ちそうな躍動感溢れる姿が表現されています。
指輪やジュエリーの起源は、自然の鉱物や貴石・宝石を身につけたことが始まりです。その歴史は旧石器時代に遡り、貝殻に穴をあけて首飾りにしたものが10万年前の遺跡から出土しています。人々は魔除けや、お守り、権威の象徴として地球の恵みをそのまま纏うことで、自然が持つ大きな力を日々感じとり、自然と繋がった暮らしをしていました。
現代では貴金属や宝石を富の象徴として身につける時代になることで、地形が変わるほどに大地は掘り起こされ、環境は破壊されていきます。現在のジュエリーや宝石から感じられるものは自然環境の悲鳴なのかもしれません。
エシカル・サスティナブルな消費活動のために
人間が自分たちだけの為に自然環境から豊かさを得ていた時代は終焉を迎え、人間は自然環境を守りながら、野生動物とともに環境の変化に適応して暮らしていく時代の到来です。
エシカルジュエリー、サスティナブルジュエリーというジャンルがあります。エシカルとは「倫理的」「道徳上」という意味を持ち、私たち人間のその消費行動が人・社会・地域・環境に配慮されていることをさします。同じようにサスティナブルとは、最近ではSDGsの頭文字「S」としても耳にする機会が増えた「持続可能な」という意味で、こちらも人・社会・地域・環境に無理な負荷をかけずに、健全な消費サイクルが持続することを言います。
一生身につける結婚指輪は「人・社会・地域・環境」に配慮されたエシカルな消費でしょうか。自然保護や野生動物を守る活動を共に続けていきましょう。
【協力】
メイン写真提供:篠木秀紀(公益財団法人 日本野鳥の会)
《ライター紹介》
SORA営業企画部マーケティングチーム所属
日本自然保護協会(NACS-J)自然観察指導員
坂本良太
宇宙撮影でもおなじみマーケの坂本。普段は企画業務をこなしつつイベント運営、機材の試作までなんでもやる課のアラフォーパパ。最近気になることは宇宙創生とベルトサンダー。